Excel講座を担当しております、松尾です。
先日、大学入学時に購入して約10年間連れ添ったノートPCが寿命を迎えました。
新しくPCを買うことにしたものの何を基準に選べばいいのか全くわからず、性能等を調べるのにかなり時間がかかりました。
その時の経験を活かし、PCを買い替えたいけど何を基準に選んでいいかわからない!という方向けに、 PCを選ぶ際のポイントを簡単にお伝えします。
PCを使う目的
どのPCを選ぶか、の前にまずはPCで何をするのか、PCを使う目的を明確にしておきます。
この手順を飛ばしてしまうと、自分に合った性能を選ぶ基準が曖昧になってしまい、何を選べばいいのかさらにわからなくなってしまいます。
まずはPCを使って何をしたいのか、書き出してみましょう。
(参考例)
Excelを使いたい
ZOOMを使いたい
お絵描きしたい
動画編集したい
一旦書き出してみました。理想はこれらすべてを満たせるPCを購入することですが、 実際は予算との兼ね合いで妥協しなければならない場合もあるので、優先順位もつけておきます。
(参考例)
〇 Excelを使いたい
◎ ZOOMを使いたい
△ お絵描きしたい
× 動画編集したい
私の場合、+ITの会議をZOOMで行うことや講座をZOOMで実施することが多かったので、ZOOMを利用できることを第一優先としました。 また、Excelコースを担当しているのでExcelが使えることも重要だと判断しました。
一方で、お絵描きに関してはやってみたいな、くらいだったので優先順位は少し低め、動画編集についてはできればいいな、くらいだったので一番低く設定しました。
PCを使う目的と優先順位は人によって違ってくる部分なので、まずはしっかり考えてみてください。
ここを明確にしておくと、選ぶべきポイントがわかりやすくなります。
注目ポイント
CPU
注目ポイント1つ目はCPU、人間でいうところの頭脳にあたります。
性能が良いとそれだけスムーズに動作しますが、価格も比例して高くなります。
予算に余裕がない方は、用途に合うものを見極めることが大切です。
今回は、主要メーカー2社のものを参考に載せておきます。
種類 | 性能 | 特徴 |
Celeron/Pentium Athron | 低 | 低価格のノートPC向け メールとネットの閲覧のみなら問題ない |
Core i3 Ryzen 3 | 低~中 | 価格が安め Officeソフトを使える |
Core i5 Ryzen 5 | 中 | 性能と価格のいいとこどり ちょっとした動画編集や画像編集したい人向け |
Core i7 Ryzen 7 | 高 | 高価格 がっつりした動画編集、ストレスのないゲームをしたい人向け |
Celeron/Pentium/Core i シリーズはインテル社、Athron/Ryzen シリーズはAMD社のものです。
性能としては細かい点で違いがあるので、PCゲームをがっつりやりたい人など、PCのスペックにこだわりたい方はご自身で調べてみてください。
ざっくりわかればいいよ、という方は上記の表で自分の利用用途に合ったものの検討がつけられれば良いかと思います。
私の場合、ZOOM(Web会議)ができることが最重要だったので必要な性能を調べてみたところ、 中性能以上が必要ということがわかりました。
また、動画編集もできたら嬉しいと思っていたので、予算との兼ね合い次第で高性能のものも候補に入れることにしました。
メモリ
注目ポイント2つ目はメモリ、いわゆる机の広さでたとえられています。
メモリが大きいほうが机が大きくなる、つまり同時並行で作業を行うことができるようになります。
メモリの選択肢としては2G、4G、8G、16G、32GB、64GBがあります。
ExcelやWordを使って文章作成、インターネットの閲覧であれば2Gでも問題ありませんが、 ExcelやWordのデータが大きかったり、ブラウザのタブをいくつも開いていたりすると動作が遅くなる可能性が高いです。
4GBになると、データの大きなExcelやWordの操作や、ブラウザのタブをいくつも開いている場合も問題なく動作します。
一般的には、8GBあれば不自由なく操作できると言われています。
私が調べた時も、8GBの搭載をおすすめしているサイトが多かったです。
16GBはさらに性能が高く、画像や動画の編集やPCゲームをされる方は16GBを選んだほうがストレスなく作業できるようです。
32GBや64GBはさらに重ための作業を行うのにおすすめです。ただ、この性能を実現するPCはノートPCには少なく、デスクトップ型になることが多いと思います。
私の場合、不自由なく作業できるようにしたかったので8GB以上を目安にしました。
ただ、当初選んだメモリが足りず、結局後からメモリを増設する人も多いという記事を見たので、余裕があれば目安のものより大きなものを選ぶことをおすすめします。
ストレージ
注目ポイント3つ目はストレージ、いわゆる机の中、収納スペースでたとえられます。
ストレージはデータを保存する領域です。ストレージが大きければそれだけPC本体に保存できるデータが大きくなります。
ストレージにはHDDとSSDというものがあり、それぞれの特徴は以下の通りです。
SSD | HDD | |
速度 | ◎ | △ |
容量 | △ | 〇 |
静音性 | ◎ | △ |
耐衝撃 | ◎ | △ |
軽量 | ◎ | △ |
価格 | △ | 〇 |
以前はHDDがストレージとして主流でしたが、 読み書きの速度が速い、作動音が小さい、衝撃に強い、軽いという点から SSDを内部ストレージとして利用しているPCが増えてきています。
内部ストレージはSSD、データをバックアップするように外部ストレージとしてHDDを選ぶ人が多いようです。
また、容量の目安としては以下の通りです。
SSD126GB HDD250GB | メールチェック、文章作成など簡単な操作をする場合に向いている |
SSD256GB HDD500GB | がっつり画像・動画編集やPCゲームをやるわけではないが、そこそこPCで作業することが多い場合に向いている |
SSD512GB以上 HDD1TB以上 | 画像・動画編集、PCゲームなどデータ容量が大きいものを扱うことが多い場合に向いている |
私の場合、特別データをたくさん保存したいわけではなかったのですが、 足りなくなることを避けたかったのでSSD256GBくらいを選ぶことにしました。
OS
注目ポイント4つ目はOSです。
OSについてこちらの記事で簡単に説明しているので、興味のある方はご覧ください。
主要なOSとそれぞれの特徴は以下の通りです。
OS | メーカー | 特徴 |
Windows | Microsoft | 一般的なOS 使ったことがある人が多く、そもそも操作に慣れている場合が多い 周りの人にも聞きやすい |
mac | Apple | 動画や画像の編集ソフトの種類が多い クリエイティブな作業が多い人はmacを選ぶ場合が多い |
Linux | なし | オープンソースのOS 無料で利用できる カスタマイズ可能だが、慣れていない人には難しい |
Chrome | Google Chrome上での作業を前提としたOS 動作が軽く、価格も安い ソフトウェアをインストールする使い方は想定されていない |
Windowsは学校のパソコンでも利用されており、触ったことがある人が多いOSです。
ネットにも情報が豊富に載っていますし、周りにも使っている人が多いので 特段こだわりがなければWindowsを選んでおくと安心です。
macOSはApple社のものなので、iPhoneやiPad、iPodとの相性がかなり良いです。
Apple製品を利用している人はPCもそろえるとより便利になります。
また、クリエイティブな作業をしている人はmacOSを好む場合が多いです。
LinuxはオープンソースOSといって、無料で公開されているものです。
自分でカスタマイズできるという魅力がある一方、 慣れていない人には操作自体が難しいというデメリットがあります。
エンジニアとして勉強したい方はLinuxを選ぶことがありますが、 そうでない場合はLinuxは選ばないほうが良いと思います。
Chrome OSは新しく提供されたOSです。 Google Chrome上で作業することを前提としたOSです。
動作が軽く価格も安いというメリットがあります。 一方で、ソフトウェアをインストールして作業することは想定されていないので、 Google Chrome以外のソフトウェアを利用したい方にはおすすめしません。
OSのバージョンが古いとセキュリティ面で問題があったり、サポート期限が短かったりするので、 極力バージョンは最新のものを選ぶようにしましょう。
Windows以外のOSでもOffice互換ソフトがあり、Excelが使えるとのことだったのですが、 互換ソフトには一部使えない機能も存在しているということだったので私はWindowsOSにしました。
その他
最後になりましたが、PCを買う際にはデスクトップ型(据え置きタイプ)にするか、ノートPCにするか、選ぶ必要があります。
一般的にはノートPCよりもデスクトップ型の方がPCとしての性能は高いです。
しかし、カフェなど外でも作業をすることが多い人はノートPCの方がよいでしょう。
予算に余裕のある方は、家で作業する用に性能の良いデスクトップ型と、 外で作業する用に低性能低価格のノートPCの2台を併用することもおすすめです。
また、ノートPCではなくタブレットを持ち運び用のデバイスとして使用している人も増えています。
持ち運びするため軽量化にこだわりたい人は、タブレット使用を検討してみるのもよいと思います。
PCを使う目的に「(デジタルで)絵を描く」が入っている場合、どのように絵を描くか考える必要があります。
一般的には、iPadなどの液晶タブレットを利用したり、板タブレットをPCと接続して描くことが多いようですが、 最近はタッチパネル式のPCも増えてきており、ノートPCでも液晶タブレットのように絵を描くことができるものも増えています。
デジタルで絵を描く際には、筆圧感知レベルにも注目してみてください。
まとめ
今回は、PCを買うときのポイントをまとめてみました。
結果的に、私はCPU Ryzen 5、メモリ8GB、ストレージSSD256GB、Windows10、液晶がタッチパネル式のノートPCで、画面部分が360℃回転するコンバーチブル型のものを選びました。
動画編集をするためには、CPUやメモリ、ストレージをもう1ランク上のものを選びたかったのですが、 予算的にオーバーしてしまうので妥協し、タッチパネル式の方を優先させました。
ただ、ZOOMをカメラ音声ONにしているとWebブラウザの動作が遅いときがあるので、 やっぱりメモリは16GBの方がよかったかな…と思っています。
みなさんも買った後に後悔しないよう、じっくり検討してみてください。