
会社員として数年働いてきて、「もっと自由に働きたい」「自分のスキルをもっと活かしたい」と感じていませんか? そんなあなたにとって、フリーランスという働き方は魅力的に映るはずです。
ただ、いざフリーランスとして働き始めると、多くの人がぶつかる壁があります。 それが「単価交渉」です。自分のスキルや経験をどう評価してもらうか、どうやって報酬を上げていくか——ここで差がつきます。
この記事では、フリーランスエンジニアとしての単価交渉のコツと、実際に成功した事例、そして年次ごとの理想像をわかりやすく解説します。
なぜ単価交渉が必要なのか?
フリーランスとして働いていると、最初は「案件を取ること」に意識が向きがちです。 しかし、ずっと同じ単価のままでは、年収も生活の自由度も上がっていきません。
実際、常駐型SESフリーランスとして月単価60万円前後でスタートしても、交渉によって70万〜90万円に上げている人は珍しくありません。 つまり、単価交渉は「収入を上げる唯一の手段」と言っても過言ではないのです。
クライアントも、スキルや成果に見合う対価を支払うことを求めています。 きちんと交渉できるフリーランスは「プロ意識がある」と信頼される傾向があります。
単価交渉を成功させる3つのコツ
① 成果と貢献度を具体的に伝える
「何ができるか」よりも、「何を改善したか」を伝えることが大切です。 たとえば「バグを減らした」ではなく、「月間エラー率を20%削減した」「納期を2週間短縮した」など、数字で表現すると効果的です。
② タイミングを見極める
プロジェクトの切れ目やリリース直後など、「成果を実感してもらいやすい時期」に交渉を持ちかけましょう。 契約更新の直前に話すよりも、余裕を持って1〜2か月前から話すのがベストです。
③ 相場を把握する
同じスキルセットのエンジニアがどれくらいの単価で契約しているかを知ることは重要です。 相場を知らないまま交渉すると、安く買い叩かれてしまうこともあります。 フリーランス仲間の情報や、エージェントサイトの案件情報を定期的にチェックしましょう。
実際の成功事例:フリーランス3年目・Aさんの場合
Aさんはフリーランス3年目のバックエンドエンジニア。 最初は月55万円の単価で常駐していましたが、契約更新時に「プロジェクトの自動化ツール導入」による工数削減をアピールし、単価を70万円にアップさせました。
ポイントは、「会社の利益にどう貢献したか」を明確に伝えたこと。 クライアント側もコスト削減を評価し、報酬アップに納得したのです。
このように、自分の価値を「技術」だけでなく「成果」で示すことが、単価交渉成功のカギです。
年齢・経験別の目標設定と理想像
フリーランス3年目:
この時期は「安定的に案件を取れる状態」を作ることが目標です。 単価は60〜70万円前後を目指し、得意領域を明確にしましょう。 営業を自分で行うよりも、信頼できるエージェントを活用するのが効率的です。
フリーランス5年目:
スキルの幅を広げながら「リピート案件」や「直契約案件」を増やすタイミングです。 この頃には、月80万円〜100万円を狙うことが可能です。 さらに、コミュニティでの人脈作りも重要になってきます。
フリーランス10年目:
10年続けられる人は、単なる「受託エンジニア」から「技術顧問」「PM」「メンター」などのポジションにシフトしていきます。 単価は100万円以上も十分狙えますし、時間と収入の自由度が圧倒的に増します。
経験を積むほど、単価交渉は「お願い」ではなく「提案」になります。 自分の価値を理解してもらう力が、長く稼ぐための武器になるのです。
単価交渉でよくある失敗と対策
・スキルや成果を言語化できない
→日々の業務を「成果ログ」として残しておきましょう。実績データは交渉時の最強の武器です。
・他人と比較して焦ってしまう
→相場は参考にしつつも、自分の強み(対応力、品質、安定感など)を軸に考えるのがポイントです。
・交渉が怖くて言い出せない
→「もっと良い価値を提供するために、契約内容を見直したい」という言い方に変えてみましょう。 相手もポジティブに受け止めてくれやすいです。
コミュニティで交渉力を磨く
単価交渉は「一人でやるより、情報を持っている人と一緒に考える」ほうが圧倒的に成功率が上がります。 社外のフリーランスコミュニティでは、最新の単価相場や交渉事例を共有できる場もあります。
もし周りにフリーランス仲間がいない場合は、+IT(プラスアイティー)が主催するフリーランスコミュニティがおすすめです。 実際に活躍しているエンジニア同士で情報交換ができ、単価アップのヒントも得られます。
まとめ:単価交渉は「自分の価値を伝える場」
単価交渉は、単なる「値上げのお願い」ではありません。 あなたの努力や成果を、正しく評価してもらうためのステップです。
3年目ではスキルの棚卸し、5年目では価値の拡張、10年目ではブランディング。 それぞれの段階で自分の価値を言語化し、しっかり交渉することで、年収も働き方もどんどん自由になっていきます。
もし「自分の単価を上げたいけど、どう動けばいいかわからない」と感じたら、まずは誰かに相談してみましょう。 あなたのキャリアを一歩進めるきっかけになるはずです。
